ドキュメンタリー「ダイヤモンド・ロード」
宝石は好きですが、NHKのBS世界のドキュメンタリーで「ダイヤモンド・ロード前後編」と「血塗られたダイヤ」を観ていたら怖くてダイヤが買えなくなりそうでした。
番組の内容を簡単に説明すると、小さなダイヤ1つが数百万ドルで売買されるのに対して、原産国アフリカのシエラレオネでは1日3ドルほどでダイヤを探す人々がいる。また、不正に取引されたダイヤはほんの5年前まで内戦の資金源にもなっていた。そして現在でも不正に富を蓄える者と、今日の食べ物を得るために1日中採掘場で働く人々がいる。そういった内容のドキュメンタリーです。
確かにダイヤは私のようなしがない勤め人ではそうそう買える物ではないけど、それでも小さなメレダイヤ1つでもアフリカの貧しい人が必死な思いで探し出し、インドで家族を養うために小さな子供が磨き上げてるのかも知れない。貧しい人から搾取するなんて話とは関係のない人生かと思ったけれど、実はダイヤ買うだけでも荷担してるのかなあ、なんて。
番組を見ていてぞっとしたのが、掘り当てたダイヤを隠そうと飲み込んだ人は殺されて、死体を切り裂かれてダイヤを取り出されたという話。殺されてダイヤを取り出されるまではそこのルールだと思えば仕方ないとしても、そのダイヤは何食わぬ顔をして誰かの胸や指を飾っているんだろうかと考えるとやりきれない。
今は結婚指輪はダイヤと大体相場が決まってるけれど、どこ産なんて普通考えもしない。こういった紛争地域のダイヤモンドを公正に取引しようという「キンバリー・プロセス」(簡単に言えば、不正取引をされていない身元の確かなダイヤですよという証明書)なるものがあるらしいけど、そんなの私だってこの番組を観て初めて知った言葉だし、しかも密輸とかで簡単に偽装できるらしいし……。実は血塗られていた愛の証ってこともあるわけで。怖い話です。
平和な日本に生まれてきてよかったと胸をなで下ろす反面、綺麗な宝石を見て単純に喜んでるのは無知の罪だと痛感しました。宝飾店に並ぶすべてのダイヤが紛争ダイヤのように血なまぐさいものではないでしょうが、その小さな石たちがどういう経緯を経て目の前に来たのかを考える必要があるのかもしれません。
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