ZORRO THE MUSICAL
「ZORRO THE MUSICAL」
2011年2月15日(火) 日生劇場/18時30分開演(幕間25分、21時50分終了予定)
自由を求めてカリフォルニアを飛び出しスペインでジプシーの仲間になっていた主人公ディエゴ。そんな彼の元に幼なじみのルイサが訪れディエゴが飛び出した村を救って欲しいと懇願する。村の総督だった彼の父を殺し村を恐怖で支配する義兄弟ラモンを止めて欲しいと──。
「ゾロ」です。黒いマントに黒いマスク、Zの文字をトレードマークに悪党と戦うキャラという認識しかなかったゾロですが、このミュージカルも原作とは設定がちょっと違うようですね。
見所はゾロのアクションシーン、そしてジプシーたちのフラメンコでしょうか。
バンボレオやジョビ・ジョバなどジプシー・キングスの馴染みのある曲に乗せて踊られるフラメンコは圧巻です。踊り手も本場スペインから来日してるダンサーが多く参加してるので見とれてしまいます。
ただ逆にディエゴたちのソロナンバーが少なく地味なイメージ。主人公はジプシーか? と錯覚するような。実際オープニングからのジプシーたちのダンスが迫力で主人公が出てきたときに「あ、そういやゾロ観に来てたんだな」と間抜けた感想を持ってしまいました。ディエゴやルイサの歌声も聴き応えあったらからもう少し聴きたかったです。
そして物語。私が想像するゾロは悪者をばっさばっさ倒していく爽快な勧善懲悪&ハッピーエンドものかと思ってたのですが、このゾロは敵対する相手が父親に愛を求めた義兄弟だったあたり完全なる勧善懲悪にはならないんですよね。それはそれで切ない話が展開されるはずなんだけど何か微妙にハマり切らない感じでもやっとしたまま観終わりました。
席が良かったので坂本君とスペイン人ダンサー(フェルナンド)の小尻を堪能したけどね! というかなんつースタイルのいい人たちなんだ……。
もやっとしたあたりのネタバレ感想。
ラストはラモンが自殺したのか返り討ちにあったのか。自殺ならなんでディエゴ襲うふりしないといけなかったのかわからないし、返り討ちなら返り討ちで誰も救われないよね……。結局ラモンは父の愛を理解したんだろうか。
あとなんでイネスを殺す。そこは軍曹だろうと。(←それもどうかと思うが。)イネス殺すならその怒りでディエゴがラモンを殺そうとしてその刃をラモンがわざと受けるとかそういう展開の方が落ち着く。
ルイサとのハッピーエンドもラモン転がったままだと嬉しいんだか悲しいんだかわからないですよ。
なんかどれも微妙に予定調和にならないんだよねえ。ストレートプレイならそれもいいけど、ミュージカルなんかはわかりやすい展開の方が好きだなあ。