夜会VOL.15~夜物語~元祖・今晩屋
「中島みゆき 夜会VOL.15 ~夜物語~元祖・今晩屋」
赤坂ACTシアター:2008年12月2日 20時開演
しまった……オチがわからなかった……!
そんな夜会。いや、大体はわかったんだけど、最後の最後で歌詞が聴き取れなかったのは痛い。自分の解釈で合ってるのか自信が持てない。パンフに歌詞載せて欲しいなあ。それに大体はわかったと言っても、なんというか、観念的で説明しづらいんですが……。
安寿と厨子王はその後どうなったかというお話だそうです。もちろんその後というのは来世とかそういう意味で。
とりあえずこの夜会を見る前には森鴎外の「山椒大夫」と説経「さんせう太夫」のあらすじは知っておいたほうがわかりやすいかも。ネットで調べれば両者の違いを検証してるサイトもあるし。
以下ネタバレ。
だけどあまりにも説明になってない&解釈間違ってるかもしれないネタバレ。
「山椒大夫」のその後、生まれ変わり続ける安寿、厨子王、姥竹。どの時代でも何かに急かされる思い。逃がさなければ逃げなければ。弟を逃がして一人死ぬことは裏切りか、姉を迎えに行くと言った約束を果たさぬのは裏切りか。身の内に残る記憶、逃がさなければ逃げなければ。夫を失い子供を失った母は己を責める。許されるときは来ないのか……。
で、まあ結局許されるよってことだよね? こんなに大変な目に遭ってきたんだもん、みんな許されるよって話だと私は解釈しました。
歌詞を追うので必死だった舞台ですが、ゾワっというかゾクッと来たのは一部終了で縁切り寺が燃え落ちる中の「都の灯り」。
思わず泣いちゃったのが盲の母親が鳥追いをする「ほうれやほ」。
「ほうれやほ」は鴎外の「山椒大夫」文中にある「安寿恋しや、ほうれやほ。厨子王恋しや、ほうれやほ。」です。それに他の言葉が足されて歌になってるんだけど、その中の「我が背」という言葉を聴いた途端に、そういやこの人は子供を騙されて失った以外に夫も流罪で失っちゃってるんだよなあと思ってものすごく可哀想な気分になって泣けてしまったのです。
そして、終演後頭をぐるぐる回るのは「百九番目の除夜の鐘」。何度も歌われたから一番頭に刻まれてしまったのかしら?
うーん。もう一度ぽかーん状態じゃなくある程度理解がある今の状態で聴き直したい。当日券は毎日出てるらしいから当日券狙いかなあ。でも2万円……うーん……。